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炎症性粉瘤/ epidermal cyst/atheroma with inflammation
小さい粉瘤では多くの場合、日常診療では支障をきたしません。しかし、粉瘤が炎症を起こした場合には、小さい粉瘤であっても緊急の治療が必要になります。粉瘤が炎症を起こしたものを炎症性粉瘤と皮膚科では呼びますが、その粉瘤の炎症を起こす原因は細菌感染と異物反応と考えられています。粉瘤の中には老廃物がたくさん溜まっていますが、それらの中で細菌が急激に増殖した場合、感染症の状態となって炎症性粉瘤となります。また粉瘤の中身が、粉瘤の外側になにかしらの刺激をきっかけに漏れ出てしまった場合に、異物反応がおきて、炎症性粉瘤となってしまう場合があります。細菌感染症による炎症性粉瘤は夏期に多い印象で、汗などで皮膚が蒸れる時期に多く、異物反応による炎症性粉瘤は冬など乾燥でかゆみが増す時期に多い印象です。
通常は小さな粉瘤でも、炎症性粉瘤となった場合に、痛みを伴った症状を起こします。局所の炎症のみであれば粉瘤が命に関わるような状況にはなりえませんが、炎症性粉瘤をそのまま放っておくと、粉瘤の炎症が周囲にも広がって、さらには全身に広がって発熱したりする場合もでてきます。その場合には、粉瘤とはいえ入院となるような場合もあり得ます。また粉瘤の炎症が長引くと、色素沈着や瘢痕などのリスクがあがりますので、整容的な意味でも炎症性粉瘤にはすみやかにくりぬき法をすることをおすすめいたします。